自社コンテンツ(教材)の作り方で、ポイントとなるのは、「何を」「どのように」提供するか、ということですね。
このうち、「何を」の方は、コンセプトの話になりますので、そちらは「①コンセプトの作成」の記事で解説しています。
その次の「どのように」、つまり、形式や量をどう作って提供するかという点について、この記事で見ていきましょう。
コンテンツの形式を理解する
これからあなたが作る自社コンテンツ(教材)の形式をどうするか。
おそらく教材の形式で、最も一般的なのが、PDFレポート形式、そして、近年では、動画形式。
この2つがメジャーでしょう。
例えば、あなたが持っている教材類は、この2つのどちらか、ということが多いはずです。
ただ、コンテンツに関しては、この2つの形式以外にも多くのものが考えられ、読者さんのニーズに合わせて、最も使い勝手の良い形式で提供することを考えましょう。
ニーズによっては、「ここはテキストで」「ここは動画の方が分かりやすい」というように工夫した方が、教材としての価値が上がることになります。
では、どういった形式があるのか、8つのタイプを見ていきましょう。
①テキスト
形式
文章を書き、それをテキストやマニュアル形式にしたものです。
Wordなどに、内容を文章や図として書き込み、PDFなどに変換して提供します。
メリット
(制作者)制作コストがかかりにくい、操作方法などのマニュアルを作るのに適している
(読者さん)場所を選ばず学習しやすい、後から復習しやすい
デメリット
(制作者)文章によって情報を伝えるため、執筆・推敲の手間はかかる
(読者さん)動的イメージを伝えるにはやや不向き
ポイント
教材の最も一般的な形式といえます。
文章でノウハウを伝えることが適している場合(例えば操作マニュアルなど)、PDFレポート形式を選択すると良いでしょう。
また、時間や場所を選ばず、学習や復習に用いることができるため、メインは動画教材であっても、
補助的に要点をまとめたテキストを付けると、教材としての価値が上がります。
②動画
形式
文字どおり、情報を動画としてまとめたものです。
ノウハウをパワーポイントにまとめたものや、実践中のパソコン画面などを、撮影・録画・編集して再生します。
録画ソフト:Filmora(フィモーラ)、Bandicam(バンディカム)などがあります。
メリット
(制作者)制作コストがかかりにくい、PDFレポートにくらべ、簡単に制作できる
(読者さん)視覚イメージで学ぶものに適している
デメリット
(制作者)録画、編集の操作は一度覚える必要あり
(読者さん)テキストに比べ、復習がややしづらい
ポイント
PDFテキストと並び、教材の一般的な形式といえるでしょう。
動画のポイントは、作るのが圧倒的に簡単であること。
同じ事柄を説明するのであれば、テキストを執筆するより、動画で話しながら、録画してしまった方が、スピードとしては3倍~5倍くらい早いです。
また、視覚イメージをともなう情報であれば、動画の方がテキストより分かりやすくなるため、適しています。
こうしたように、メリットも多いため、近年は動画形式の教材が増えていますね。情報を発信していくのであれば、動画の作り方は、一度マスターした方が良いといえます。
③音声
形式
情報をしゃべって録音した物です。ノウハウ音声、セミナー音声、対談音声など。
ボイスレコーダーなどを使って作成します。
メリット
(制作者)作るのがカンタン、しゃべる声にパーソナリティが出る
(読者さん)場所を選ばず学習しやすい
デメリット
(制作者)視覚情報がゼロであるため、複雑な情報の伝達には不向き
(読者さん)復習はしづらい
ポイント
音声は、音だけの情報になりますので、簡単なノウハウの伝達にのみ適しています。
複雑な情報の場合は、やはりPDFか動画で、視覚的に補足した方が分かりやすいでしょう。
利点としては、しゃべっている肉声で構成されますので、読者さんが、すでにあなたのファンである場合や、普段、表立って顔出しや声出しをしていない場合は、プレミア感が出る場合もあります。
また、有名人との対談音声をつくる、というのは、価値の出やすいコンテンツになります。
④ツール、システム
形式
読者さんの利便性が上がるツールやシステム類を作成し、提供します。
(例:WordPressテーマ、キーワード検索ツール、投資用自動売買ツール、在庫管理システムなど)
メリット
(制作者)価値(価格)が高い分、提供することで、成約率が上がる
(読者さん)利便性が大きく向上する
デメリット
(制作者)制作費がかかりやすい
(読者さん)特になし
ポイント
ツールやシステムを提供する、というのも、コンテンツの形式の1つです。
この方法は、コストがかかる分、成約率が大きく上がる、という側面を持っています。
件数を爆発的に販売したいという場合は、作成を視野に入れてみてください。
また、作成にあたり、専門的な知識や、時間、コストが必要となる場合は、「ランサーズ」「クラウドワークス」などといった外注サイトで、作成できる方に外注する、ということも検討した方が良いでしょう。
⑤オンライン・サポート
形式
読者さんの疑問、質問に対応する、オンラインによるサポートを提供します。
どれくらいの内容を提供するかで、コンテンツの主旨や価格が大きく変わります。
(例:メール回答、会員サイトでのQ&A、チャットワーク、専用SNS、スカイプ、ZOOMなど)
メリット
(制作者)サポートが必要な“初心者”属性の方に響きやすい、価格アップが図れる
(読者さん)テキストや動画だけでは解決できない疑問点の解消
デメリット
(制作者)マンパワーがかかるものもあるため、どこまで提供するかを検討しておく必要あり。
(読者さん)特になし
ポイント
サポートも、何らかの形で、コンテンツ内にいれたいものの1つです。
低価格帯、売り切りのコンテンツを販売する場合は、あえてサポート無し、とすることもありますが、そうではない場合は、提供した方が、ファン・リピーターの増加、クレーム防止などに役立ちます。
負荷が低く、提供しやすいのは、まずメールサポート。次に、準備しやすいのはグループチャット(チャットワークなど)。この辺りは入れておいて良いかと思います。
また、このサポートをコンテンツの中心にしたものが、「高額コンサルティング系教材」です。
ノウハウやツールの提供は補助的としたうえで、添削や対話形式のコンサルをメインとするところに特徴があります。
あなた自身に、すでに多くの読者数や濃いファン、リピーターがいる場合は、高額コンサルティングも売れやすいコンテンツになるでしょう。
⑥購入者用メルマガ
形式
購入者専用のメルマガを配信します。
サポートの一種でもありますが、ステップメールにすることで、完全自動化も出来ます。
メリット
(制作者)サポートの手厚さを訴求できる、購入者とのコミュニケーションが図れる
(読者さん)追加ノウハウの獲得、モチベーションの維持など
デメリット
(制作者)準備・作成に手間はかかる
(読者さん)特になし
ポイント
購入者用メルマガも、読者さんのサポート目的のために使われる形式の1つ。
利点としては、事前にステップメールとして組んでおくことで、その後の労力が発生しないこと。ここが、⑤オンライン・サポートとの違いです。
また、このメルマガを準備しておくと、コンテンツの追加や、 “お客様からの感想文”の取得(販売ページなどに反映できる)、さらなるクロスセル・アップセルなどに活用することが出来るため、購入者用メルマガを作っておくことは、非常に重要と言えるでしょう。
⑦会員サイト
形式
コンテンツ一式を収めた会員サイトを作り、提供します。
テキストや動画等のコンテンツが多い時は、サイトとしてまとめて提供した方が、クオリティが上がります。
メリット
(制作者)コンテンツが整理できる、コンテンツの追加に便利
(読者さん)整理して学習しやすい、テキストや動画をバラバラに管理しなくて良い
デメリット
(制作者)準備・作成に手間はかかる
(読者さん)特になし
ポイント
テキスト、動画、音声、ツールなど、コンテンツ数が多岐にわたる場合は、会員サイトを制作して、そこにコンテンツを収めて提供した方が良いでしょう。
読者さんの利便性が上がると同時に、クオリティのアップ、継続的な販売に役立ちます。
会員サイトは、購入者のみへの公開状態にするため、ユーザー管理、もしくは何らかのパスワードを付けておくことが必要です。
⑧対面サービス
形式
基本的に、情報販売のコンテンツは、オンラインを中心とするものですが、
価値を上げるために、対面サービスを付加することもあります。
(セミナー、対面コンサル、勉強会、作業会、懇親会 など)
メリット
(制作者)訴求力のアップ、価格アップ、ファン・リピーターの拡大
(読者さん)学習の深化、人脈作り、モチベーションの維持
デメリット
(制作者)運営方法・ルールに準備が必要、開催地は限定される
(読者さん)対面サービスが響かない層もある(遠隔地など)
ポイント
主に高価格帯サービスは、対面サービスを付加したコンテンツにすることが多いです。
運営にマンパワーがかかりますが、販売者がすでにブランディング出来ている場合は、対面の価値で、コンテンツを高価格帯にすることが可能になります。
コンテンツの主旨によっては、一部に対面サービスを付けるのも、1つの手でしょう。
まとめ
今回は、コンテンツの形式8つを紹介しました。
- テキスト
- 動画
- 音声
- ツール、システム
- オンライン・サポート
- 購入者メルマガ
- 会員サイト
- 対面サービス
これらのコンテンツの特性を理解したうえで、
「どのコンテンツをどのくらい配置するか」
ということについて、次の記事で見ていきましょう。