TOEICと参考書ルート

1.TOEICの概要
TOEIC(Test of English for International Communication)は、英語によるコミュニケーション能力を測定する世界共通のテストです。(原則、毎月実施→公式サイトから受験申込できます)
TOEIC L&Rは、「リスニング100問・リーディング100問の合計200問」。
試験時間は約2時間で、リスニング495点、リーディング495点の合計990点満点。
合格・不合格という制度ではなく、10~990点のスコアによって英語力を評価します。
TOEICの大きな特徴は、文学的・学術的な英文よりも、日常生活やビジネスで使われる実用的な英語が中心であることです。メール、広告、案内文、チャット、会議、電話、社内連絡など、実際の生活や仕事を想定した場面が数多く登場します。
スコアの目安としては、
- 600点前後で基礎的な英語力
- 730点以上で比較的高い英語力
- 860点以上でかなり高いレベル
とされています。
TOEICは単純な英語知識だけでなく、処理速度が非常に重要な試験です。特にリーディングは75分間で100問を解く必要があり、Part 7では長文を素早く読みながら必要な情報を探さなければなりません。そのため、英単語や文法を覚えるだけでなく、問題形式に慣れ、時間配分を身につけることがスコアアップにつながります。
2.問題構成と難易度
| Part | 内容 | 難易度 | ポイント |
|---|---|---|---|
| Part 1 | 写真描写問題(リスニング) 6問 …約4分半 |
★★☆☆☆ | 比較的易しい。頻出表現を覚えると安定しやすい |
| Part 2 | 応答問題(リスニング) 25問 …約9分 |
★★★☆☆ | 短いが、ひっかけ・間接応答が難しい |
| Part 3 | 会話問題(リスニング) 3問×13セット …約18分 |
★★★★☆ | 会話を聞きながら設問処理する必要あり |
| Part 4 | 説明文問題(リスニング) 3問×10セット …約14分 |
★★★★☆ | Part 3同様、先読みと情報処理力が重要 |
| Part 5 | 短文穴埋め(リーディング) 30問 …目標10分 |
★★☆☆☆ | 文法・語彙を固めれば得点源にしやすい |
| Part 6 | 長文穴埋め(リーディング) 4問×4セット …目標10分 |
★★★☆☆ | 文法だけでなく前後関係の理解が必要 |
| Part 7 | 読解問題(リーディング) ①29問(10の文書) ②5問×2セット ③5問×3セット …目標55分 |
★★★★★ | 最大の難関。特に時間不足になりやすい |
3.参考書・攻略ルート
TOEICの攻略について、取り組む順番と必要な参考書を解説します。
(順番が大事やで!)
- 中学レベルの英語(基礎)を思い出す
- TOEICの「単語」を超強化する ←ウルトラ重要!
- TOEICの「文法」をマスターする(Part5)
- TOEICの「リスニング」をマスターする(Part1.2)→(Part3.4)
- TOEICの「読解」をマスターする(Part6/Part7)
1.中学レベルの英語(基礎)を思い出す
まずは、基礎からですね。TOEICに初めて取り組む方は、(社会人なら特に)英語へのブランクがあってもおかしくありません。
中学レベルの英語の基礎を、たった数日で完全理解できる「神参考書」がありますので、3~4日で通読してしまいましょう。
なお、こちらは、大学受験においても「文法の必読書」として有名&有用な本となっています。
ぜひ、内容を自分で説明できるくらい、書かれていることをノートに整理しながら学習します。
2.TOEICの「単語」をマスターする
次に必要なのが、「単語」です。単語を知らないと、どんなに頭が良くても、文を読めないし、聞き取る事も不可能です。ですから、TOEICで使われる単語を、どんどん覚えていきましょう。
TOEIC学習者が最もよく使う単語帳と言われているのが、この「金のフレーズ」です。単語1000語+αの内容にまとまっており、学習しやすくなっています。
「受験の時の英単語、少しは覚えているな…」という方は、この「金フレ」からで大丈夫です。
でも!「全く覚えてないや」という方は、「銀のフレーズ」という、より入門的な単語帳があり、焦らずにそちらから学習することを推奨します。基本単語をおさえていないと、後で痛い目を見ます。(笑)書店で「金フレ」「銀フレ」をパラパラッと見てみて、銀フレの内容が8割方、大丈夫そうであれば、金フレで行きましょう。
オススメの使い方
まずは「金フレ」を最初から読みながら、「絶対、これはもう分かる」という単語は消し込んでいきましょう。これを1000個までスグ終わらせます。(1日100個ずつやっていくと10日で終わります)
残った単語(700~800個等)は、スプレッドシートなどにまとめていきます。スプレッドシートに入力していく作業の中でも、少しずつ覚えていくことが出来ます。ただ、この段階では「完璧に全部覚えていこう」という必要はありません。まとめる作業を優先で。

そして、スプレッドシートを使い、本格的に覚えていきます。「1日で、50個覚える+前日の50個を復習する(=計100個)」。どうしても覚えられないものは、そのままでも構いません。とにかく何度も周回すること。根性で覚えるのではなく、接触頻度を上げることが大事です。
この周回するルーティンをしつこく続ければ、1か月で、TOEICに必要な単語力を修得できます。
繰り返しになりますが、単語を知らないと、文を読めないし、聞き取りできません。逆に単語を覚えると、Part1が聞き取れたり、Part5~7がラクに読めたりしてきます。TOEIC対策の、優先かつ重要なステップが、この「金フレ」修得です。(単語力が9割)
3.TOEICの「文法」をマスターする
単語と単語が結びついて、一つの文になります(S+V+O等)。このルールこそが「文法」です。ですので、単語をマスターした後は、TOEICレベルの文法に取り組んでいきましょう。
こちらの「でる1000」が、やはりTOEIC学習者がよく使う文法問題集となっています。著者は「金フレ」と同じ、TEX加藤氏なんですが、「金フレ」と「でる1000」の2冊は、TOEIC界では“最も定番の2冊”になっています。
オススメの使い方
前から順に「講義」部分を読みながら、「1日で、20問解く+前日の20問を復習する」。これを習慣にしていきましょう。気合が乗ってきたら、休日は一気に100問解く等すれば、1か月で、まず1回は通読が出来ます。
通読が完了した後、巻末の「文法1049本ノック」を「1日約50題ずつ解く(+前日の復習)」をする。…※20分あればできます
分からない単語も、その都度調べること。(金フレ掲載語が多い)文章の意味の把握も大事です。
これを最低3周やりましょう。これでPart5対策はOKで、かつ英文読解にも十分役立ちます。
4.TOEICの「リスニング」をマスターする(おすすめは3冊)
英語の一文に慣れてきたら、リスニングにとりかかりましょう。単語力はすぐに向上できますが、「耳」の養成には時間がかかります。なるべく早くとりかかることで、「リスニング苦手!」というアレルギーを解消できます。
といっても、リスニング問題にもレベルがあり、難しいものから手を付けてしまうと挫折しかねません。そこで、レベル別に3つの参考書を紹介します。
①リスニングの導入
「TOEIC L&R TEST はじめから超特急 金のパッケージ」
またもや、TEX加藤先生の本ですが、別に信者ということではないです(笑)。この本の良い所は、Part1対策の頻出単語・例文100(音源付き)があることであり、この100文を毎日聞く+音読することで、初歩のリスニング力は素早く向上するでしょう。その他、全パートの解き方のコツも分かり、一石二鳥の総合対策本です。
「Part1は解ける!」という自信をつけるのが、リスニング攻略の第1歩。
模試のPart1~4の音源を全部繋げて(45分くらい)、毎日、BGM代わりに繰り返し聞き続けるということもしました。笑
②次にパート別の短文を聴けるようにする
Part1に慣れてきたら、次にお勧めなのがこちらです。
この本の良い所は、「短文形式」で出やすい例文を繰り返し練習できること。これが出来る本が意外と少なかったため、この本は特に役立ちました。
Part3、4の会話文をいきなり聴くのは、まだ負担が大きすぎるので、全パートで出やすい例文、語彙、シチュエーションを、この本を周回することで叩き込みましょう。
③リスニングを最終強化!
さらに、難易度高めのPart3.4対策としてはこちら。
いよいよ「長文」のリスニングに挑戦です。(音声のスピードもちょっと速い気がする)
「解きまくれ! リスニングドリル TOEIC® L&R TEST PART 3&4」
出版年次も比較的新しく、量をこなすのに優れた対策本です。
※全8セット分の「Part3&4」が収録
模試としても活用できますが、おすすめの方法としては「問題を解く必要はなく、最初からスクリプトをがんがん見てリスニング&音読」が良いと考えています。なぜなら、耳が育っていない状態で問題を解いても、4択あてのクイズにしかならないからです。本教材はインプット用で使っていきましょう。(実戦形式の参考書は他にもたくさんある)
毎日1セット:音を聞く→スクリプトを見ながら音読→スクリプトを見ないで理解する→シャドーイング…の繰り返しで、確実にリスニング力が上がります!登場人物はこんな話をしていくんじゃないかな…とシナリオを予測しながら聞けるようになったら勝ちです。
5ー1.TOEICの「読解」をマスターする(Part6対策)
最後に、文章の読解です。まずはPart6対策として「隠れた名著」をご紹介します。
「極めろ! リーディング解答力 TOEIC® L & R TEST PART 5 & 6」
Part6対策として、数を多くこなせるのが、この本。また、関正生先生という「(受験)英語界のレジェンド」の分かりやすい解説つきである点も魅力です。この本一冊でかなりの高得点も狙える、というレビューも多く、基軸として使える一冊になるかと思います。
オススメの使い方
「出る1000」5周+リスニングに目途がついたら取り掛かりましょう。
こちらも5周。使い倒すこと。
5ー2.TOEICの「読解」をマスターする(Part7対策)
最難関となるのが、長文読解のPart7。「Part7は読む・解く時間が無いから、マークシートを適当に塗りつぶす」という教えがマジメに存在するくらい(!)、TOEIC初心者にはクリアするのが難しいパートになっています。
(だけど個人的には、パラグラフの先頭だけ読んで大意をつかめば、正答できるし、時間も余裕がある…と思っています。単語力さえあれば、ひるむ必要はない)
「新形式問題対応 改訂版 世界一わかりやすい TOEICテストの授業[Part 7 読解]」
こちらも関先生の著作。特徴としては「難易度低めのPart7例題で、解き方の全体像を知ることが出来る」点。Part7入門ということで使いやすいのが、こちらの本です。
オススメの使い方
Part7は最難関。とは言え、読む時間さえ確保できれば、文章が難解ということではない(ただ量が多いだけ)。他のパート(Part5.6)で、素早く着実に点を取れる段階になってから取り組んでも遅くない。
さらに実力を上げたい方へ
各パートの解き方については、上記の参考書が役に立つでしょう。
その上で、スコアを730→860→900以上と上げていくなら、
・「TOEIC公式問題集」を数多く繰り返し解く
のが最高の上達法になります。最終的にTOEICは作業ゲームになる感じ…
公式問題集とは、ETSという“TOEICの運営者”が作成した問題集で、文字どおり「公式の問題集」ということになります。ちなみに、TOEICは「過去問」が公表、発売されていません。ですので、TOEIC本番に近いものを勉強するなら、「公式問題集」となるわけです。
ここで、「公式問題集の買い方」として大事なのが、必ず新しい方から買う!ということです。
本記事の執筆時点(2026/9月)、「公式問題集1~13」が発売されていますが、使うなら「13」です。「13」を何度も解き終わったら、次は「12」。というように、必ず最近の傾向に近い問題を解きたいため、新しい方から解いていくのが大事です。こちらは忘れずに。
公式問題集の最新版「13」が出ました!(2026/09月)
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最後に
TOEICに取り組む方にいくつかのアドバイスをお送りして、まとめたいと思います。
- 「単語が9割」 …TOEICは時間との勝負、意味を推測している暇はない
- 文法は「人に説明できて」初めて合格 …文法問題は正解するだけでなく、理由も説明できること
- リスニングは「音読」がカギ …特に『例文990選』の暗唱がおすすめ
- 分からない問題は飛ばしてOK! …捨て問も意図的に出題されます。捨てる勇気も必要
- 参考書は最低5周解く …解ける自信=潜在意識を持つことが一番大事!
